Nature ハイライト

生化学:p300アセチルトランスフェラーゼの活性化

Nature 562, 7728

ヒストンアセチルトランスフェラーゼのp300は転写コアクチベーターで、遺伝子調節エレメントへ誘導され、そこでクロマチンのアセチル化を起こすことで転写を促進する。今回D Panneたちは、IRF3やSTAT1のような転写因子がDNA上で活性化されて二量体化すると、p300の持続的な活性化が起こることを明らかにしている。この活性化機構には、p300の自己阻害性ループが関わっている。リシンを多く含み、本来的に無秩序な構造をとっているこのループがHATドメイン中でトランス自己アセチル化されると、p300が活性化される。この知見は、クロマチン修飾酵素の活性化が転写因子二量体のDNAへの結合に密接に連携している仕組みを説明する例証となる。

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