2018年6月号Volume 15 Number 6

脳波を操作して病を治療する

2015年、特定の光を毎日1時間浴びせたマウスは、アミロイド斑の形成が抑えられることが報告された。視覚刺激を介してニューロンの波長を同期できる、つまり脳波を操作でき、その上、特定の波長には神経変性疾患を治療できる可能性があるというのだ。この研究以外にも、神経変性疾患と脳波に重要な関連があることを示唆する証拠は増えており、光や音による非侵襲的な手法の効果を調べる臨床試験も始まっている。

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これまでに発表されたほとんど全ての一段階有機化学反応を学習させたAIツールは、それを基に分子の合成手順を導くことができ、その解は人間が考えるものと同等であることが示された。

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肝移植における臓器保存に体温維持型の灌流装置を用いることで、臓器の損傷が抑えられ、廃棄率が低下した。将来、臓器不足の解消につながるかもしれない。

ジャガーの体の一部の国際取引は禁止されている。だが、中国での需要の高まりを受け、その牙の違法取引の存在が明るみに出てきた。

現生人類の文化の起源が従来の説よりも古いことを示す石器が発見された。それらはさらに、初期人類の技術や文化の発達が、気候の急激な変化や大地震と関連している可能性を示しているという。

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空気中の窒素から、肥料として不可欠なアンモニアを作る「ハーバー=ボッシュ法」は、人類の食料供給を100年以上にわたり支えてきた。ただし、この方法は高温高圧が不可欠であるため、多くのエネルギーと大型プラントが必要となる。このため、消費エネルギーが低く小型の設備かつオンサイトで可能な窒素固定法の開発は、現在最も社会的要請の高い研究の1つだ。このほど、ランタン・コバルト・ケイ素の3元素から成る金属間化合物(LaCoSi)が、400℃、常圧という従来よりはるかに温和な条件下で窒素固定触媒として働くことが、Nature Catalysis に報告された。その開発の過程について、細野秀雄・東京工業大学教授および多田朋史・同大学准教授に話を聞いた。

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レーザーのマイクロ波版であるメーザーは、動作する環境が特殊であるか、通常の環境で動作するものは連続的に放射を出せないために用途が限られていた。今回、ダイヤモンドを使い、室温で連続放射するメーザーが開発された。

協力の進化は、頻繁に議論されているテーマだ。人々の行動が互いの評判によって左右されるモデルを評価した研究から、協力の進化を促進するには単純な道徳的規則で事足りることが示された。

脳腫瘍は腫瘍細胞の視覚的評価で分類されることが多いが、そのような診断法では観察者によって異なった結果が出ることがある。機械学習によって分子パターンを特定する方法で、がんの診断が改善されるかもしれない。

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