Nature ハイライト

古生物学:猿人「ルーシー」は墜落死した?

Nature 537, 7621

CTスキャンによる、「ルーシー」の橈骨遠位端の観察。
CTスキャンによる、「ルーシー」の橈骨遠位端の観察。 | 拡大する

Credit: Marsha Miller, UT Austin

「ルーシー」は、絶滅ヒト族であるアウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)の有名な部分骨格標本である。彼女は、300万年余り前に現在のエチオピアに当たる地域で生活していた。今回J Kappelmanたちは、ルーシーの骨を新たに分析してその死因を絞り込んだ。その結果、高木からの落下で負った怪我が命取りになったことが示唆された。アファール猿人は、二足歩行する能力がありながら、木登りも得意であったと長年考えられてきた。しかし、そうした適応には他の諸リスクが伴い、それでルーシーの命運が尽きてしまったのかもしれない。

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