2019年3月号Volume 16 Number 3

惑星形成理論の最前線

電波望遠鏡アルマが2014年、誕生から間もない恒星を観測した。天文学者たちは、初めて目にした高解像度の原始惑星系の写真に衝撃を受けた。まるでCG画像のようだったからだ。そして、恒星を囲む塵やガスのフワフワとした円盤には、赤ちゃん惑星の存在を示す溝も刻まれていた。だが、原始惑星系の画像が集まるにつれ、太陽系に基づく従来の惑星形成理論では惑星系の形成過程が説明できないことが分かってきた。

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人工知能を使った細胞分取法によって、従来の方法と同等の正確さでありながら、処理時間が大幅に短縮された。

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Editorial

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遺伝子編集技術を受精卵に施し、それを母胎に移植して双子の女児を誕生させたという中国人研究者の主張に対して、科学コミュニティーの行動が強く求められる。それにふさわしい第一歩が、研究登録制度の新設だと考える。

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Publishing Academy

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News in Japan

イメージング技術の多様化、デジタル化は、さまざまな重要情報を画像から引き出すことを可能にしてきており、生命科学研究におけるその重要性は今後も増すことだろう。一方、高度なイメージング装置は高価であり、1研究室や1大学で所有するには負担が大きい。日本のさまざまな最先端イメージング技術とそれを利用したい研究者とを効率よく結び付ける役割を果たすのが、「ABiS」プロジェクトである。

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News

遺伝子のDNA配列内にあるアミノ酸情報を担わない領域「イントロン」は、これまで不要な部分と考えられてきたが、細胞の生存に重要な働きをしている可能性がある。

中国の月探査機「嫦娥4号」が2019年1月3日、人類初の月の裏側への軟着陸を成功させた。この計画は、月の裏側の重要領域の調査、月の裏側からの電波天文学観測、初めての月面での植物成長実験など、いくつもの野心的な試みを行うものだ。

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News Features

ガスと塵に包まれたままの、生まれたばかりの惑星を捉えた画像が、従来の惑星形成理論に異議を申し立てている。

Doris Tsaoは、脳が顔認識に使うコードを解読した。彼女は今、私たちが顔を含めた全てのものを見る仕組みを明らかにしようとしている。

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News & Views

海底下深くで起こる岩石と熱水の化学反応によって、生物学的な要素なしに芳香族アミノ酸「トリプトファン」が合成されることが実証された。この過程は、地球上での生命の誕生に貢献した可能性がある。

抗腫瘍免疫応答を増強する治療では、サイトカインストームと呼ばれる有害な炎症応答が引き起こされることがある。今回、こうした有害な応答を防ぐのに役立つ可能性がある新しい知見が得られた。

従来の異種移植の手順を改良することで、ブタの心臓を移植したヒヒを6カ月以上生存させることができた。この成果により、ブタからヒトへの異種心臓移植の道が見えてきた。

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News Scan

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